審判委員会


2006年 競技規則

2006年5月19日
関係各位

財団法人 日本サッカー協会

 国際サッカー連盟(以下、FIFA)から回状1033号をもって2006年競技規則の改正について通達がありましたので、その日本語訳を送付します。それぞれの協会、連盟などで、加盟クラブ、チーム、審判員などの関係者に周知徹底を図られるようお願いいたします。
 回状にあるように改正等の効力の発生は国際的に6月1日(2006FIFAワールドカップから効力を発生させるため)からとなりますが、日本協会そして各地域、都道府県協会が主催する試合については、例年どおり7月1日以降のしかるべき日から(遅くとも8月中に)施行することとします。


2006年 競技規則の改正

 国際サッカー評議会の2006年次総会が2006年3月4日にスイスのルツェルンで開催された。総会において決定された競技規則の改正と審判員への追加指示は、以下のとおりである。

1.競技規則の改正および評議会の決定

第4条− 競技者の用具
基本的な用具

現在の文章
新しい文章
競技者が身につけなければならない基本的な用具:
競技者が身につけなければならない基本的な用具は、次の個別のものとなる
ジャージまたはシャツ
ショーツ- サーマルアンダーショーツを着用する場合は、主な色がショーツの主な色と同色とする
ストッキング
すね当て
ジャージまたはシャツ
ショーツ- サーマルアンダーショーツを着用する場合は、主な色がショーツの主な色と同色とする
ストッキング
すね当て

理由
“次の個別のもの”の表現を加えることで、基本的な用具がひとつひとつの衣服等からなることを確実にしたことで、どんな形であれ、競技者のジャージとショーツが一体なものとなってはいないことになる。


第10条 ― 得点の方法
競技会規定

現在の文章
新しい文章
試合が引き分けに終わり、競技会規定として勝者を決定する必要がある場合、国際評議会が承認した次の方法のみが認められる。
試合あるいはホームアンドアウェーの対戦が引き分けに終わり、競技会規定として勝者を決定する必要がある場合、国際評議会が承認した次の方法のみが認められる。
アウェーゴール・ルール
延長戦
ペナルティーマークからのキック
アウェーゴール・ルール
延長戦
ペナルティーマークからのキック

<日本協会の解説>
昨年の改正で「アウェーゴール」が勝者を決定する方法として加えられたが、どのような試合形態において適用されるか規定されていなかったため、「ホームアンドアウェーの対戦」という表現が追記された。


第12条 ― ファウルと不正行為
警告となる反則

現在の文章
新しい文章
競技者は次の7項目の反則を犯した場合、警告されイエローカードを示される: 競技者は次の7項目の反則を犯した場合、警告されイエローカードを示される:
(1) 反スポーツ的行為を犯す
(2) 言葉または行動によって異議を示す
(3) 繰り返し競技規則に違反する
(4) プレーの再開を遅らせる
(5) コーナーキック、またはフリーキックでプレーを再開するとき、規定の距離を守らない
(6) 主審の承認を得ずフィールドに入る、または復帰する
(7) 主審の承認を得ず意図的にフィールドから離れる
(1) 反スポーツ的行為を犯す
(2) 言葉または行動によって異議を示す
(3) 繰り返し競技規則に違反する
(4) プレーの再開を遅らせる
(5) コーナーキック、フリーキック、またはスローインでプレーを再開するとき、規定の距離を守らない
(6) 主審の承認を得ずフィールドに入る、または復帰する
(7) 主審の承認を得ず意図的にフィールドから離れる

交代要員あるいは交代して退いた競技者は、次の3項目の反則を犯した場合、警告され、イエローカードを示される。
(1)反スポーツ的行為を犯す
(2)言葉または行動によって異議を示す
(3)プレーの再開を遅らせる

<日本協会の解説>
 規定の距離を離れない場合の警告の対象としてスローインが追記された。
また、「交代要員および交代して退いた競技者」は警告の対象となっているが、競技規則に表記されていなかったため、明文化すると共に対象となる3項目の反則が明記された。


第12条 ― ファウルと不正行為
退場となる反則

現在の文章
新しい文章
競技者は次の7項目の反則を犯した場合、退場を命じられレッドカードを示される:
競技者、交代要員あるいは交代して退いた競技者は、次の7項目の反則を犯した場合、退場を命じられレッドカードを示される:
(1) 著しく不正なプレーを犯す
(2) 乱暴な行為を犯す
(3) 相手競技者あるいはその他の者につばを吐きかける
(4) 意図的に手でボールを扱って、相手チームの得点、あるいは決定的な得点の機会を阻止する(自分のペナルティーエリア内にいるゴールキーパーが行ったものには適用しない)
(5) フリーキックあるいはペナルティーキックとなる反則で、ゴールに向かっている相手競技者の決定的な得点の機会を阻止する
(6) 攻撃的な、侮辱的な、あるいは下品な発言や身振りをする
(7) 同じ試合の中で二つ目の警告を受ける
(1) 著しく不正なプレーを犯す
(2) 乱暴な行為を犯す
(3) 相手競技者あるいはその他の者につばを吐きかける
(4) 意図的に手でボールを扱って、相手チームの得点、あるいは決定的な得点の機会を阻止する(自分のペナルティーエリア内にいるゴールキーパーが行ったものには適用しない)
(5) フリーキックあるいはペナルティーキックとなる反則で、ゴールに向かっている相手競技者の決定的な得点の機会を阻止する
(6) 攻撃的な、侮辱的な、あるいは下品な発言や身振りをする
(7) 同じ試合の中で二つ目の警告を受ける
退場を命じられた競技者は、フィールド周辺及びテクニカルエリア周辺から離れなければならない。
退場を命じられ、レッドカードを示された競技者、交代要員、あるいは交代して退いた競技者は、フィールド周辺及びテクニカルエリア周辺から離れなければならない。

<日本協会の解説>
 警告の場合と同様に、現在の文章には、「競技者」という表現のみで「交代要員および交代して退いた競技者」という表現が示されていなかったため追記された。


第14条 − ペナルティーキック
違反と罰則

現在の文章
新しい文章
主審がペナルティーキックを行う合図をして、ボールがインプレーになる前に、次の状況のひとつが起きた場合:
ペナルティーキックを行う競技者の競技規則の違反:
主審がペナルティーキックを行う合図をして、ボールがインプレーになる前に、次の状況のひとつが起きた場合:
ペナルティーキックを行う競技者の競技規則の違反:
主審はそのままキックを行わせる
ボールがゴールに入った場合は、キックを再び行う
ボールがゴールに入らなかった場合、主審はプレーを停止し、守備側チームの間接フリーキックで試合を再開する。
主審はそのままキックを行わせる
ボールがゴールに入った場合は、キックを再び行う
ボールがゴールに入らなかった場合、主審はプレーを停止し、違反の起こった場所から行われる守備側チームの間接フリーキックで試合を再開する。

理由
その他の違反と整合性を取るため。
<日本協会の解説>
 ボールがゴールに入らなかった場合の守備側チームに与えられる間接フリーキックの位置が明記された。


現在の文章
新しい文章
キックを行う競技者の味方競技者がペナルティーエリアに入る、ペナルティーマークより前方へ動く、あるいはペナルティーマークの9.15m(10yds)以内に入る: キックを行う競技者の味方競技者が競技規則に違反する
主審はそのままキックを行わせる
ボールがゴールに入った場合、キックを再び行う
ボールがゴールに入らなかった場合、主審はプレーを停止し、守備側チームの間接フリーキックで試合を再開する。
ボールがゴールキーパー、クロスバー、ゴールポストからはね返って、その競技者に触れた場合、主審はプレーを停止し、守備側の間接フリーキックによって試合を再開する。
主審はそのままキックを行わせる
ボールがゴールに入った場合、キックを再び行う
ボールがゴールに入らなかった場合、主審はプレーを停止し、違反の起こった場所から行われる守備側チームの間接フリーキックで試合を再開する。

理由
その他の違反と整合性を取るため。
現在の文章の項目4は、項目3の内容に含まれる。
<日本協会の解説>
 ボールがゴールに入らなかった場合の守備側チームに与えられる間接フリーキックの位置が明記された。項目4は、項目3の内容に含まれるため必要なくなった。


現在の文章
新しい文章
ゴールキーパーの味方競技者がペナルティーエリアに入る、ペナルティーマークより前方へ動く、あるいはペナルティーマークの9.15m(10yds)以内に入る: ゴールキーパーの味方競技者が競技規則に違反する
主審はそのままキックを行わせる
ボールがゴールに入った場合、得点を与える
ボールがゴールに入らなかった場合は、キックを再び行う
主審はそのままキックを行わせる
ボールがゴールに入った場合、得点を与える
ボールがゴールに入らなかった場合は、キックを再び行う

理由
その他の違反と整合性を取るため。


第17条 − コーナーキック
進め方

項目3

現在の文章
新しい文章
ボールがインプレーになるまで相手競技者はボールから9.15m(10yds)以上離れる
ボールがインプレーになるまで相手競技者はコーナーアークから9.15m(10yds)以上離れる

理由
第1条と整合性を取るため。

2.主審、副審および第4の審判員への追加指示

プレーの再開を遅らせる

新たに項目6を追加

現在の文章
新しい文章
主審は、次のような策略でプレー再開を遅らせる競技者を警告しなければならない: 主審は、次のような策略でプレー再開を遅らせる競技者を警告しなければならない:
主審がやり直しを命じなければならないように、わざと違った位置からフリーキックを行う
スローインを行う振りをしたが急に味方競技者の1人にスローインを任せる
主審がプレーを停止したあとボールを遠くへけったりボールを手で持ち去る
スローインあるいはフリーキックを行うことを必要以上に遅らせる
交代が行われるとき、フィールドから離れることを遅らせる
主審がやり直しを命じなければならないように、わざと違った位置からフリーキックを行う
スローインを行う振りをしたが急に味方競技者の1人にスローインを任せる
主審がプレーを停止したあとボールを遠くへけったりボールを手で持ち去る
スローインあるいはフリーキックを行うことを必要以上に遅らせる
交代が行われるとき、フィールドから離れることを遅らせる
主審がプレーを停止後、意図的にボールに触れ、対立を引き起こす

<日本協会の決定>
 新たに「主審がプレーを停止後、意図的にボールに触れ、対立を起こす」という項目が付け加えられたが、その具体的な状況および理由が述べられていない。よって、この項目の施行時期および内容については、ワールドカップ等での適用を確認した後に改めて通達する。


国際サッカー評議会は、競技規則の改正が2006年7月1日ではなく、2006FIFAワールドカップ前の6月1日から効力を発することに合意した。なお、審判員への追加指示は、即時効力を発する。(※「追加指示」の施行については「日本協会の決定」に基づき改めて通達する)

国際サッカー連盟
事務局長 ウルス・リンジ



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