審判委員会


2004年 競技規則

関係各位

(財)日本サッカー協会審判委員会

競技規則の解釈と適用の確認
―競技規則に関する質問と回答・2004年版より抜粋―

 現在、「サッカー競技規則2004/2005」に掲載されている「競技規則に関する質問と回答」は2000年にFIFAから発行されたものですが、昨年、FIFAより2004年版が発行され、下記のとおり新規の追加と解釈の変更の箇所がありました。それぞれの協会、連盟などで、加盟クラブ、チーム、審判員などの関係者に周知徹底を図られるようお願いいたします。
 この適用の施行は、日本協会そして各地域、都道府県協会が主催する試合では4月1日から施行することとしますが、Jリーグについては2月26日、JFLは3月27日からとします。
 なお、2004年版「競技規則に関する質問と回答」の日本語訳の全文は、今年8月に発行する「サッカー競技規則2005/2006」に掲載します。

1) 第4条 競技者の用具
<新規>
8. Q: 主審が競技者に宝石類(装身具)を外すように指示した。数分後、主審はその競技者まだ宝石類を身につけていることに気づいた。主審の取るべき処置は何か?

A: 『その競技者は反スポーツ的行為により警告されなければならない。主審は、その競技者にフィールドを離れ、宝石類(装身具)を外すように指示する。』

<新規>
9. Q: 競技者が危険と考えられる宝石類(装身具)を、テープを使って覆うことは許されるか?

A: 『許されない。』

解説
全ての宝石類(装身具)を取り外すことについては、2003FIFAワールドユース選手権(UAE)、2004アテネオリンピック、2004FIFAフットサル世界選手権(台湾)にて確認された。しかし、これらの大会での適用の実状から「結婚指輪などの角のないリングで、物理的にどうしても外すことができないと確認されるものについてはテープで被うことを認める。」とする。

2) 第9条 ボールのインプレーおよびアウトオブプレー
<解釈の変更>
3. Q: 観客が笛を吹いた。自陣のペナルティーエリア内にいる守備側競技者はプレーが停止されたと思い、手でボールを拾い上げた。主審の取るべき処置は何か?
−変更前−
A: 主審は、ペナルティーキックを与える。
−変更後−
A: 『主審はこの笛を外部からの妨害とみなし、試合を停止してドロップボールにより再開するべきである。』

3) 第12条 ファウルと不正行為
<新規>
21. Q: ゴールキーパーがボールを弾ませている場合、相手競技者は危険なプレーの反則を犯していなければ、ボールがグラウンドに触れたときにボールをプレーしてもよいか?

A: 『プレーしてもよい。』

解説
今まで、ゴールキーパーがボールを弾ませている状況は、保持しているとして判断されており、このボールを相手競技者がプレーした場合、「危険な方法でプレーしている」として反則としていた。

<新規>
22. Q: ゴールキーパーがボールを保持した後、手の上にボールを置いた。相手競技者が後からやってきてゴールキーパーの手の上のボールをヘディングした。これは許されるか?

A: 『ゴールキーパーは完全にボールを保持しているわけではないので、相手競技者の行為が危険でなければ許される。』

解説
今まで、ゴールキーパーが手の上にボールを置いた状況は、保持しているとして判断されており、このボールを相手競技者がヘディングした場合、「危険な方法でプレーしている」として反則としていた。
「ゴールキーパーの手の上のボール」とは、手のひらの上に不用意に乗せているだけの状況にあるボールであり、完全にボールを保持しているとは判断されない。

4) 第14条 ペナルティーキック
<未掲載分を追加>
14. Q: ペナルティーキックを行う競技者がボールをキックする前にフェイントを使った。これは許されるか?

A: 『許される。』・・・・・(現Q&A第14条10(☆):具体的な見解が不明だったため未掲載)

解説
現在、Q&A第14条10については、具体的な見解が不明であったためFIFAからの確認が取れるまで掲載を控えていた。今回、FIFA審判委員会から次の確認が取れたので掲載した。

キック直前までのフェイントは許される。ただし、まさにキックをしようとして踏み込んだ後に動きを完全に止める行為は許されない。これは、第14条のキッカーの違反であり、ボールがゴールへ入ったときのみ、キックを再度行う。違反を繰り返せば、反スポーツ的行為で警告が与えられる。


以上



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