審判委員会


2004年 競技規則

2004年2月12日
関係各位

(財) 日本サッカー協会審判委員会


競技規則の適用について
―得点後の広告看板越えに対する自動的警告処分の件―

 これまで、試合中、得点の喜びを表すために広告看板を越えた競技者に対し、主審は「自動的に警告を与える」との指針で運用してきた。フィールドの周囲に広告看板のある、主にJリーグの試合で適用されてきたが、今回、Jリーグより現状の問題点の指摘と共に同運用の廃止について提案があり、審判委員会で協議した結果、そのようなケースで「自動的に警告を与える」という運用を廃止し、国際サッカー連盟(FIFA)の現行の指示に従うこととした。
 2002年に行われたFIFAワールドカップや海外での適用の違いから、特にJリーグの各チームより広告看板越えに対する自動的な警告処分の運用廃止の要望が出されていた。また、審判サイドでも時に過敏な対応が見られ、得点の喜びに水をさすような状況を作ったり、あるいは、審判員が看板越えを見逃したがために警告としなかったという不公平な状況を作る原因にもなっていた。
 今後は、現行の競技規則にある「主審、副審ならびに第4の審判員への追加指示」の第17項「得点の喜び」に従って、運用していくこととする。

 FIFAは、得点の喜びの表現を認めているものの、それが過度に時間を浪費することになるような、オーバーな喜び方であってはならない、と各国協会に伝えている。従って、競技者は次の点に留意しなければならない。
得点の喜びでフィールドを離れること自体は警告に該当する反則ではないが、競技者はできる限り早くフィールドに戻らなければならない。
次のような場合、競技者は警告される。
審判員の指示にもかかわらず、引き続きフィールドの外にとどまっている
相手競技者や観客に対して挑発的、嘲笑的あるいは扇動的な身振りをしていると主審が判断する
周囲のフェンス(観客席との境)によじ登ったり、観客と直接接触して喜びを表現する

 審判員は、競技者が得点を素直に、かつ自然に喜びあい、いたずらに時間を浪費することなく自陣に戻っていくようならば、些細なことにこだわることなく常識の範囲内で対応することが望まれる。
 従って、試合の時間帯、得点差、雰囲気を考慮に入れて状況を判断することが大切である。得点の喜びに対処する場合、主審と副審の協力により競技者に対して、声かけや笛を有効に用いて予防的処置を講じることが必要である。

 競技者、チーム役員、ならびに審判員は、今回の運用の主旨を十分に理解し試合のスムーズな進行に心がけていただきたい。
以上



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